日本野鳥の会 鳥と緑の国際センター

WING

The WBSJ (Wild Bird Society of Japan)Center for Wild bird and Nature of the Globe

この施設は日本野鳥の会の国際的な活動の拠点となる研究所です。野鳥の会の国際センターでは渡り鳥の調査、研究を行っており、アジア各地との交流や情報発信の事務所として機能します。

エアコンはノンフロンのものを設置し、コンクリートの型枠は古いものを再利用しました。この建物の愛称ともなっている、「WING」は大きな翼状の屋根から由来していますが、この屋根で集めた雨水を地下の貯水槽にため、中水として利用しています。このやねは草屋根に匹敵する屋根断熱システムを持っており、窓システム、最小限の冷暖房システムをベースに、省エネルギー型の建物としています。

建設費用は会員や企業、団体からの寄付金に支えられ、一部の建築材料や事務机等も寄付によるものです。ボランティア活動も行われ、丸太のテーブルや椅子、そして壁に埋め込まれた巣箱が制作されました。

敷地周辺には自然が多く残り、野鳥をはじめ野生生物も数多く生息しているものと思われ、そこに建つ施設としては、人間のものであるだけでなく、回りの生き物たちのものでもありたいという願いから、鳥避けガラス、巣箱を埋め込んだ外壁や、野ネズミ等の観察スペース(エンカウンター)をつくりました。

壁に埋め込んだ巣箱では多くのシジュウカラのつがいが営巣し無事ヒナも巣だっていきました。 

室内からはひなが育っていく様子が観察できました。
約6600平米の敷地は日野市から借り受けており、開発が中断され空き地となっていたこの敷地は、野鳥の会の職員とボランティアによって自然林の復元が実施されています。

この自然復元は自然の持つ回復力によるもので、最終的にはこの場所に適した雑木林が出来るように長い時間をかけて少しずつ手入れをしながら導くものです。現在一面に植えられているコナラ等は雑木林の基盤となるもので、鳥などが運んできた種や下草などを守ります。

敷地は、パノラマ上に視界が開け、浅川の流れや、河川敷の緑、多摩丘陵の風景が遠く広がっており、視線を近づければ東西に走る京王線や無数に立ち並ぶ住宅の屋根が見渡せます。

 それは、高層ビルからの眺望とは明らかに異なった、地面(大地)を感じながらのもので、自然の空気(風の流れ)と、鳥類の目に映るであろう景色の移り変わりを体感できます。

 この土地の特性を生かし、「鳥」の気持ちになれる空間を構築するのがこの建物のデザインコンセプトです。

屋上緑化も深さ40センチ程度の土を入れ、なるべく自然に生えてきた雑草などを生かし、デザインに取り入れています。これらの植物は壁に埋め込まれた巣箱を鳥が利用する上で必要な環境を作ります。

設計

意匠:時空遊園
設計協力:日本野鳥の会
施工:北野建設
主体構造:木造、鉄筋コンクリート造混構造

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